■ インシュリン
インシュリンは、膵臓の「ランゲルハンス島」から分泌されるホルモンの
一種で、主に炭水化物の代謝を調整し、血糖値を一定に保つ働きを持って
います。
- 血中の糖分をエネルギーとして消費
- タンパク質の合成
- 中性脂肪の形成、貯蔵の促進
などがあります。インシュリンが血糖値をコントロールすることで、ドロドロの血液をサラサラにしてくれます。
■ インシュリンと血糖値
インシュリンは血糖値を一定に保つ役割を持っているので、その分泌量は摂
取する血糖の量によって変化します。
※血糖値とは
血糖値とは、血液中の血糖(ブドウ糖)の濃度のことです。空腹時は血糖値
が低下し、食後は高くなります。食後30分にかけて上昇し、その後はインシ
ュリンが分泌されてるため一定値に下がっていきます。この血糖値が正しく
調整されないと、体に様々な影響が出てきます。
高血糖
食べ過ぎなどで血糖値が急上昇するとインシュリンが分泌されます。しかし
分泌の機能がきちんと働かないと、糖尿病を発症することがあります。また
血液が血糖が多くドロドロの状態のままなので、動脈硬化を引き起こすこと
もあります。
低血糖
極度のダイエットなどで食事量を減らすと、インシュリンの分泌が低下し代
わりに血糖値を上げるホルモンが放出されます。それでも血糖値が低いまま
の状態の場合、大脳のエネルギー代謝が維持できなくなり、意識消失や精神
症状を引き起こすこともあります。
■ 低インシュリンダイエットとGI値
血糖値を調整するホルモンであるインシュリンは、ダイエットにどのように
関わっているのでしょうか?
インシュリンと肥満の関係
インシュリンの分泌量と働きは、「肥満」にも関係しているのです。私たち
が食事をすると、次のような流れでインシュリンが働きます。
- 食事をする
- 血糖値が高くなる
- インシュリンが分泌され、各細胞にエネルギー源として糖を送り込む
- 細胞に糖が行き渡ってもまだ糖が残っている場合、インシュリンが残った糖を「脂肪細胞」に送り込む
- 脂肪が溜まり肥満となる
低インシュリンダイエット
インシュリンが急激に、かつ大量に分泌されると、脂肪細胞に糖が運ばれ、
肥満の原因となってしまいます。そこでインシュリンの分泌量を増やさない
ために、「血糖値を急に上昇させないこと」が必要です。そのために必要な
のが食品の選択です。私たちのカラダは、摂取する食べ物によって血糖値の
上昇するスピードが違います。そのスピードを計ったものが「GI値」です。
つまり「低インシュリンダイエット」とは、「GI値の低い食品を摂取するこ
とで血糖値の上昇をゆるやかにし、太りにくいカラダになる」というダイエ
ット食事法なのです。
■ GI値
食事をすると、摂取したものは体内で「糖」になり血液中を流れます。つま
り食事により「血糖値が上昇」するのです。作られた糖は私たちのカラダを
動かすエネルギーとなりますが、急激に増えると「インシュリン」というホ
ルモンが血糖値を下げようとします。インシュリンには脂肪を作り脂肪細胞
の分解を抑制する働きがあるので、分泌されすぎると肥満の原因ともなって
しまいます。インシュリンの分泌を抑えるためには、血糖値の上昇をゆるや
かにする食事が必要となります。そこで目安となるのが「GI値」です。GI値
とは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、その食品が
体内で糖に変わり血糖値が上昇するスピードを計ったもの。ブドウ糖を摂取
した時の血糖値上昇率を100として、相対的に表されています。このGI値が
低ければ低いほど血糖値の上昇が遅くなり、インシュリンの分泌も抑えられ
るのです。GI値は、糖質量や消化のスピードなどで決まります。GI値が低い
食べ物ほどゆっくりと吸収されるため腹持ちがよく、ダイエットにもぴった
りの食材ということになります。またGI値は、調理法や食べあわせなどでも
変化します。
「精白されていないもの」は低い
米や麦などの食材は、精白されているものよりもされていないもののほうが、
食物繊維やミネラルが残っているためGI値が低くなります。
白米>玄米、白パン>全粒粉パン
果物はジュースにせずそのまま
同様に、 果物にも食物繊維が多く含まれていますが、ジュースにすると食物
繊維が細かくなったり、取り除かれてしまいます。そうすると、同じ分量でも
ジュースの方が多く糖質を含むことになります。果物はそのまま「丸ごと」い
ただきましょう!また食後に果物を食べると血糖値が上昇してしまうので、間
食とした方が効果的です。
フルーツジュース>カットフルーツ
似てても違う はちみつとメープルシロップ
甘い液体、はちみつとメープルシロップ。見た目も味も似ていますが、GI値
は違います。はちみつは、ミツバチが植物の蜜を体内で果糖とブドウ糖に分
解したもの。そしてメープルシロップはサトウカエデの木の樹液を煮つめた
もの。はちみつは分解が進んでるので果糖の濃度が高くなり、GI値が高くな
ります。
はちみつ>メープルシロップ
じゃがいも、にんじんは高GI値
GI値が高い食品としてまっ先に上げられるが「じゃがいも」と「にんじん」
。この二つの野菜はできるだけ避けた方がいいでしょう。他の野菜に置き換
えてみてください。
じゃがいも(83)>さつまいも(63)、にんじん(70)>トマト(23) ※( )内GI値
GI値を下げる食品
GI値が高い食品を食べる時は、他の食品のGI値を下げる効果のある「酢」や
「食物繊維」「乳製品」「豆類」を合わせて摂りましょう。 もろみ酢、レ
タス類、チーズ、豆腐
GI値を低く抑えたいから、と食物繊維の野菜ばかりを摂取していたら栄養的
に問題があります。主食や副菜の中から、GI値の低い食品を上手に組み合わ
せてバランスよく食事をすることが大切です。
(→参照:ダイエット基礎講座「キケンな食事制限」)
また、GI値の低い食品は「消化がゆっくり」なものなので、夏バテなどで消
化機能が弱っている時は胃腸の負担となります。ご注意ください。
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