■ 脂肪細胞とは
肥満の現象は、脂肪細胞の増殖や増大にあります。では、脂肪細胞とはど
のような働きをするのでしょうか?
脂肪細胞
人間の体には60兆個の細胞があり、そのうちの一種が脂肪細胞で、250億個
〜300億個あります。脂肪の合成、分解、蓄積はこの脂肪細胞の中で行われ
ているのです。脂肪細胞には「白色脂肪細胞」(WAT)と「褐色脂肪細胞」
(BAT)の二種類があり、それぞれに役割が異なります。
■ 白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞
二種類の脂肪細胞である「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」は、それぞれ
特徴的な役割を持っています。
白色脂肪細胞
白色脂肪細胞は、中性脂肪として大量の脂肪エネルギーを体内に蓄積する働
きがあります。妊娠末期の3カ月(胎児期)・ミルクで育つ乳児期・思春期
に集中して増殖する細胞で、一度作られると数は減少しません。そして白色
脂肪細胞は15倍まで膨らみ、脂肪太りの原因となります。
褐色脂肪細胞
褐色脂肪細胞は脂肪をエネルギー変換する役割を持っており、褐色脂肪細胞
の量が多ければ多いほど、体脂肪が消費されます。そして褐色脂肪細胞は、
幼児期に多く、成人になると減少していきします。同じ食事をしても年齢を
重ねると脂肪がつきやすくなるのは、褐色脂肪細胞の減少が原因の一つです。
■ 脂肪を燃やすメカニズム
たまった脂肪を分解・燃焼し、エネルギーとして体外に放出することが、肥
満の解消につながります。では、脂肪はどのようにして燃焼するのでしょう
か?
脂肪燃焼メカニズム
- 活動エネルギーが必要な状態(有酸素運動など)となる
- 脳が脂肪を分解してエネルギーを生成するよう命令を出す
- ノルアドレナリンやアドレナリンなどの「脂肪動員ホルモン(アデポキネチックホルモン)」が分泌される
- 脂肪を分解する酵素「リパーゼ」が活性化する
- 脂肪が分解され、グリセロールと遊離脂肪酸となり血液中に放出される
- 全身の筋肉で脂肪酸がエネルギーとして燃焼される
せっかく脂肪が遊離脂肪酸に分解されても、燃焼できなければ再び脂肪へ
と戻ってしまいます。分解した遊離脂肪酸を燃焼するためには、一定時間
以上の運動が必要です。脂肪を効率的に燃焼できるのは、基礎代謝量の多
いカラダ。
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